ローマの支配のもとでは、特にマケドニアや小アジアの造幣所でコインが生産されました。当初、ローマの貨幣はギリシャに入ってきませんでしたが、前1世紀頃には兵隊に給与を支払うため、ギリシャの都市でもローマの貨幣は生産しました。同時にギリシャ都市国家による銀貨の製造は途絶え、現地で使う青銅貨だけが造られました。オクタビアヌス以降も基準通貨こそローマの金銀貨でしたが、実際に使われたのはギリシャ諸都市で発行する青銅貨でした。
このいわゆる帝国版ギリシャコインは、ローマが禁止する3世紀まで造られました。表には皇帝やカエサルなど英雄の肖像、裏にはその地方の首長や建築物を描いたのが特徴です。そして最後のギリシャコインには、ローマ帝国東方が細やかな描写で綴られています。
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