『英国のトレジャーハンターが古代ローマ時代のコイン約5万2,500枚、現在のお金で総額330万ポンド(約4億4,000万円)相当を発見したことが明らかになった。英当局が8日に発表した。
見つかったコインのうち数百枚には、3世紀末ごろに現在の英国とフランス北部地域でみずから皇帝を名乗ったカラウシウスの肖像がはっきり見えるという。
当局の発表によると、トレジャーハンター、デイブ・クリスプさんは4月、金属探知機を使い、イングランド南西部で深さ30cm程の大きな瓶に入ったコインを見つけた。総重量は約160kgにも及ぶ。
クリスプさんは、金属探知機に「面白いシグナル」が入ったため、その場所を掘り始めた。およそ20枚のコインを発見したところで、応援が必要な事態に気付いたという。
AP通信によると、大英博物館のロジャー・ブランド氏は今回の発見により3世紀ごろの英国の歴史がより明らかになると述べたという。760枚以上のコインはカラウシウス時代のもので、同氏は「この発見が史上にカラウシウスを載せる機会を与えてくれる。この国の生徒たちはローマン・ブリテンのことを学んでいるが、皇帝カラウシウスについては教えられてこなかった」と語った。』
(引用元:IBTimes英トレジャーハンター、4.4億円相当の古代ローマ時代コインを発見 2010年07月09日 08:50更新※文章、画像共に)
トレジャーハンター(Treasure hunter)とは、価値のある物品を探し出す探検家、冒険家のこと。
夢とロマンを感じる言葉!まさに【インディジョーンズ】の世界ですね!!
カラウシウス帝を調べてみました。
在位284年~305年のディオクレティア帝の時代の人物で、当時の皇帝ディオクレティアは皇位の共有者として3人を指名(マクシミアヌス帝、副帝ユリウス・コンスタンティウス、副帝ガレリウス・マクシミアヌス)して世界を四分割して兵士の数を増やした。
そんな時代に登場した人物で、286年ローマの北海艦隊司令官カラシウスがブリタニア(現在のイギリス)を掌握し、皇帝宣言を行った。
マクシミアヌス帝は289年にこの帝位僭称者を退け様としたが、彼の軍政は強力な海軍の前に敗退した。
カラウシウスの反乱が成功したのは、彼の軍司令官としての声望に負うところが大きかった。
彼はディオクレティアヌス・マクシミアヌスと並ぶ共冶帝として世間に認めさせるため、肖像とプロパガンダを巧みに用いた。
貨幣に3皇帝の胸像を刻み、『カラウシウスとその兄弟』等と注釈を付けている・・・・このコインが多く含まれているのでは?
ローマ側がカラウシウスを攻めあぐねたのは、ブリテン島の南岸~東岸に頑丈な要塞が築かれていたからで、いわゆる「サクソン海岸の要塞」として今も残っている。
293年、マクシミアヌス帝とその副帝は、ゲソリアクム(ブローニュ)の主要海岸基地を含めた海峡の南岸沿いの領土を奪還し、敗れたカラウシウスはかろうじて生き延びたが、その年の内のクーデターで、財務官アレクトゥスによって殺された。
その後、アレクトゥスは297年にローマ軍に敗れファーナムの近郊で殺された。かくて10年間の離反の後ブリタニアは再びローマ帝国に復帰した。
クリス・カー著 『ローマ皇帝歴代誌』より参照
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