・ローマコインの神・・・・勝負事の神々
ローマコインの神々の第二弾は『勝負事の神々』を4種類ご紹介いたします。
1) Victoria (ラテン語読みでウィクトリーア、英語読みでヴィクトリア。)
勝利の女神として一般的ですが、ギリシャ時代ではニケ(NIKE)神で神話に数多く登場する。
一般には有翼の女性の姿で表され、アテナ神の随神として描かれるが、アテナの化身とする場合もある。
しかし、ローマ神話になると、マルスに付き従うようになっている。
常に勝利者の頭上に現れ、勝利者を称え祝福する神で、勝負事には頼りになる神として信仰されている。
アテナイのパルテノン神殿の本尊であったアテナ神像では、右手の上に載せられていた。
サモトラケ島で発掘された彫像「サモトラケのニケ」(ルーヴル美術館所蔵)が有名。
英語ではナイキ (Nike) と発音。世界的スポーツ用品メーカー「ナイキ」社の社名はこの女神に由来。トレードマークはこの女神の翼をイメージしたもの。
ローマ時代のコインには、各皇帝の裏面に数多く刻印されている。
ギリシャ時代のコインでは、小アジア・カリア地方のテトラドラクマ貨が有名です。
2) Mars (ラテン語読みマルス、英語読みでマーズ。)
ゼウスとヘラの子供で、『戦の神』戦争に勝つ為の破壊と狂乱を司り、常に勝利に導く神様。
ギリシャ神話ではアレス神と同一視されている。
ローマを建国したロムルスの父とも云われていて、三月(March)の語源にもなっています。
ローマ時代のコインでは、共和政時代に数種類、表面にマルス神が登場します。
トラヤヌス帝、マルクス・アウレリウス帝、カラカラ帝、ゲタ帝、アレクサンデル・セウェルス帝、プロブス帝、コンスタンティヌスⅠ世帝
3) Virtus (ラテン語読みウィルトゥース、英語読みでヴィルトゥス。)
ローマ神話にのみ登場する神様で『力強さ』の擬人化した女神として、コインの裏面に度々登場致します。
小惑星帯に位置する小惑星にもなった神で、イタリア・ボローニアを本拠地にするプロバスケットチームにも使用されている神様。
刻印した皇帝は以下の皇帝です。
トラヤヌス帝、ウォルシアヌス、ネロ帝、ドミティアヌス帝、カラカラ帝、マキシミウスⅡ世帝等。
4) HERCULES (ラテン語ヘールクレー、英語読みヘラクレス・ハーキュリーズ)
ギリシャ神話の最大の英雄で、ヘラから課せられた『十二の功業』をことごとく成し遂げ、怪力で知られる。
ギリシャコインでは、アレキサンダー大王がヘラクレスの末裔と称し、全てのコインにライオンの頭皮を被った姿で刻んだ。
アレキサンダーのコインには、ライオンの皮、棍棒、斧、弓などが図柄の中に同時に描かれる事が多いです。
ローマコインでは、共和政・帝国政のコイン【ローマ神、コンモドゥス帝、トラヤヌス帝、カルニウス帝、マキシミアヌス帝、】に見られる。
特にコンモドゥス帝は自分を、強さ、勇気、忍耐力で名高いヘラクレスと同一視して、自らローマのヘラクレスと称してライオンの毛皮をまとい、棍棒を持った姿をコインに刻ませた。
ローマコインの神々シリーズ
・勝負事の神々(本ページ)
コインペンダント専門店 『World Coin Gallery』
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