ローマコインの神々の第四弾は『豊穣の神々』を6種類ご紹介いたします。
イタリア・ローマは昔から農業国、五穀豊穣を願う神々は数多く存在した。
1) アバンダンティア (ABUNDANTIA)
アバンダンティアはローマの豊穣の女神であり、成功、繁栄、豊かさ、幸運の美しい女神です。
貯金、投資、財産の保護者と考えられていて、彼女のイメージは数世紀前のローマのコインに装飾されています。
ローマの神話では、Abundantiaと呼ばれています。
ローマコインには、ハドリアヌス帝・トライアヌス帝他多数の皇帝が豊穣を祈ってコインに刻んでいる。
日本ではヒーリングの世界で良く知られたローマの神である。
2) ケレース(Ceres) セレス
古くからのギリシャ神話のデメーテルと同一視で、ギリシャ神話のケレースとは無関係。
大地の女神で、農業、特に穀物の収穫を司る神で、英語で穀物を意味するシリアルの語源でもある。
ケレースはローマコイン以後も、各国の貨幣に登場して、近代ではフランスの20フラン・セレス金貨が有名。
ローマコインには、カエサル・ティトゥス帝、大ファウスタ、小ファウスタ、ハドリアヌス帝のコインに刻まれている。
3) サートゥルヌス
サートゥルヌス(Saturnus)はローマ神話に登場する農耕神、穀物の神。英語ではサターン。
ギリシャ神話ではクロノスと同一視され、土星の守護神とされる。
彼を奉るお祭りはサートゥルナーリアと呼ばれ、ろうそくや小さな人形を贈り物として交換。この風習が後にクリスマスに受け継がれたと言われている。
帝国政時代の各皇帝の発行コインに時々刻まれている。
4) アンノーナ (Annona)
ローマ神話では【毎年の穀物供給】を擬人化した女神で豊作の神とされる。
象徴として、穀物の実、豊穣の角、Modius、船首等で表わされる。
ローマ帝国の、ハドリアヌス帝・アントニウス・ピウス帝、フィリップ・アラブス帝のコイン等に見られる。
5) バックス (Bacchus) バッカス
バックス(Bacchus)またはバッコスはローマ神話のワインの神である。ギリシャ神話のディオニュソスに対応する。
豊穣とブドウ酒と酩酊の神である。この名は「若いゼウス」の意味
人間にブドウ栽培とブドウ酒の製法をおしえたとされる。
ディオニュソス崇拝は、前2世紀ごろにイタリアのローマで人気をえて、バッカス祭とよばれるようになった。
共和政の時代よりコインの表面にもしばしば取り上げられ、帝国政にも皇帝の裏面に刻まれた。
6) ウェスタ (Vesta)
ベスタともよばれる。ローマ神話で、炉の女神。家族の健康を守護する神としてローマの人々に崇拝された。
ウェスタの神殿は、古代ローマの大広場フォルムにきずかれた円形の神殿であり、この神殿の炉の火は、ローマの創設者アエネアスが故国トロイアから持参したものであると伝えられた。
この神殿は都市国家の安全を象徴し、聖なる炉の火をまもる6人の巫女(みこ)は「ウェスタの処女たち」とよばれて、きびしい戒律にしたがって30年間巫女をつとめた。毎年6月の初めには、ウェスタをたたえるウェスタリア祭が開催された。
ローマコインの神々シリーズ
・豊穣の神々(本ページ)
コインペンダント専門店 『World Coin Gallery』
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