新年 明けましておめでとうございます!!
2014年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本年が皆様にとって、歓びに溢れた素晴らしき年になりますように。
サー・ローレンス・アルマ=タデマ 『コロッセウム』 (1896年)
当店、ワールドコインギャラリーは、本日1月4日(土)から通常営業を開始させていただきます。
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また、縁起物として本年の干支、馬の描かれたコインも多数取り揃えております。
古代ギリシャ・ローマから近現代に至るまでの多種多様な馬コインをご覧頂けます。
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本年も、何卒ご愛顧のほどを宜しくお願い申し上げます。
さて、新年最初の記事は、この時期に合わせまして、古代ローマ人の「新年」に関する話題です。
古代ローマ世界でも、現在と同じように「新年」という概念があり、今の我々のように新年を祝う習慣が存在しました。
その起源は紀元前153年、執政官(コンスル Consul)の就任が1月1日と定められたことに始まります。
これ以降、一般のローマ市民の間では、1月1日を1年の始まりとして祝うようになったと考えられています。
ローマの人々の間では、お互いに新年の幸を願い、互いに贈り物を贈り合う習慣が根付きました。
共和政期の一般的な贈り物といえば、ナツメヤシやイチジク、蜂蜜などの甘味、つまり「お菓子」でした。
古代メソポタミア・ギリシャの時代から、ナツメヤシやブドウ、イチジクはドライフルーツとして食されており、人々の貴重な甘味源でした。
オウィディウスの『祭事暦』には、以下のように表されています。
この甘味がさまざまな事柄の後に続き、
この年が今始まった歩みを、
楽しさに溢れたまま終えられるように
古代ローマの人々は、互いにお菓子を贈り合うことで甘味を味わい、幸せで心穏やかな、新たな年の幕開けを過ごしていました。
しかし、帝政期になると、従来の甘味のような消費物から、ランプや貯金箱、さらには現金(コイン)のような、高価な品物を贈る場合が増加しました。その場合、「新年おめでとうございます(annum novum faustum felicem tibi)」というお祝いの言葉を添える場合もありました。
古代ローマのオイルランプ
写真のように、縁起物や豪華な装飾が施された高級贈呈品としてのランプが多く見られる。
写真のオイルランプのモチーフは「剣闘士の闘い」である。
つまり、帝政ローマ時代には、現在の日本にみられるお年玉のようなものが存在していたのです。
また、寛大なお返しを期待して、皇帝に新年の貢物をすることが一般化していたといわれ、「新年の祝い=金銭、高価な贈り物」という概念が一般化していたことが分かります。
この時代になると、新年には盛大な宴が催されるようになり、上等な御馳走やワインを楽しむようになりました。そうなると、既に当時から「正月太り」に悩む人々がいたのかもしれません。
当時の新年の宴は、従来最も盛大に祝われていた祝日である12月中旬の農耕祭「サートゥルヌス祭」を凌ぐようになっていました。
古代ローマの宴 (ヘルクラネウムのフレスコ画)
図は古代ローマの上流階級の宴会の様子
すでに前日、つまり大晦日から盛大な「前夜祭」を催す輩も多くいたようで、街路には酒を飲み、浮かれて騒ぐ人々が溢れかえっていました。
帝政ローマ時代には一般市民の間の新年も、その主役は甘味からワインやさいころ賭博へと変わっていったのです。
一方で、心身ともに鍛え上げた同時代の猛者達は、このような浮かれた新年の雰囲気に一線を画すように、ティベリス川や氷のように冷たいウィルゴー水道に飛び込んで新年を祝いました。
日本でも毎年行われている寒水荒行は、古代ローマ人の間でも行われていたのです。
2000年近く前の古代ローマも、そして現在でも、「新しい年」を楽しく、そして心地よく迎えたいという人々の思いは、何も変わっていません。一年の始まりを気持ちよく過ごすことで、その年を良き年にしたいと願う人々の心持は、古今東西同じなのでしょう。
本年も、古代ローマの人々が願ったと同じく、健康と良縁に恵まれた、晴れやかな年になることを祈ります。
尚、本年からは、今回の記事のように「古代ローマ人の生活風景」に関する豆知識を、少しずつ御紹介していく予定です。
本年も、昨年と変わらぬ皆々様のご愛顧を、何卒宜しくお願い申し上げます。
サー・ローレンス・アルマ=タデマ 『春』 (1894年)
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コインペンダント専門店 『World Coin Gallery』
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