こんにちは。
8月も終わりだというのに本当に暑い日が続いております。
秋の涼しさが待ち遠しいですね。
さて、今回はコインに関する本のご紹介です。
来月、9月19日に中央公論新社さんから、ローマコインに関する新書が発売されるそうです。
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著者:比佐篤
出版社:中央公論新社
価格:¥886 (税込)
発売予定:9月19日(水)
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Amazonに掲載されている内容コメントによると、
貨幣は一般的に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占するが、古代ローマでは様相が異なる。政界に登場したばかりの若手や地方の有力者らも発行しており、現在までに発掘されたものだけでも数千種類にのぼる。ローマ神話の神々の肖像、カエサルや皇帝たちの肖像、花びらや儀式の道具など、描かれた図像も多岐にわたる。貨幣の図像と刻まれた銘文から一千年の歴史を読み解いた、新しい古代ローマ史入門。
(以上 掲載紹介文)
248ページの中でコインの図像を紹介しながら、古代ローマの歴史を体系的に紹介しているようです。おそらく代表的なコインの図像を取り上げ、その歴史的背景やまつわる人物のエピソードを分かりやすくまとめられたのではないかと想像します。「コイン」という切り口で、古代ローマ史を著した興味深い一冊です。
中公新書ではかつて、『紙幣が語る戦後世界―通貨デザインの変遷をたどる』 (冨田昌宏,1994)という本を出版しています。紙幣のデザインや発行背景と、歴史・国際情勢をリンクさせた、読みやすくかつ専門性も高い内容でした。今回のタイトルからも、同様のコンセプトが伺えます。
ローマコインが歴史学の研究で注目されはじめたのはルネサンス期のヨーロッパからです。以降、各地で出土したコインのデザインや材質をデータ化し、カタログとしてまとめる地道な作業が続けられてきました。その過程で図像学や言語学の観点から注目され、コインがローマの政治的、経済的状況を示す重要な史料だと確信された長い歴史があります。
欧米ではローマ史の資料や書籍も多く、その中でコインの図像を紹介したものも多岐に渡って出版されてきました。しかしながら、日本ではこうした書籍がなかなか世に出ませんでした。
この度、中公新書として出版されることで、多くのコイン収集家、ローマ史愛好家の双方にとって刺激になると思われます。また、それまでローマ史やコインに馴染みがなかった方にとっても、興味を持つきっかけになるのではないでしょうか。
9月は秋の夜長、「読書の秋」に相応しい一冊として、ぜひ手にとってみては?
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