ギリシャ神話の神々をご紹介する前に、この世界と神々はどこからやってきたのでしょうか…。
ギリシャ神話の冒頭もここから始まります。大神ゼウスの由来は、そのままこの世界の起源を語っています。太古…この世はまだなく、ただカオスというどろどろとした闇でした。この闇から豊かな胸を持つ大地の女神ガイアがうまれ、ガイアは自分の胸の上に天の神ウラノスを生みました。そして、ウラノスとガイアは結婚して、次々と子を産み次第に世界が形成されてきました。
しかし、ウラノスは自分の気に入った子を除いて、ほとんどの子供を大地の穴に押し込めてしまいました。怒ったガイアは、勇敢な末息子クロノスをして父ウラノスの局部を切り取らせ、海に投げ捨てました。その時の海の泡から、美と愛の女神アフロデイテが生まれたのです。クロノスは父ウラノスに代わり世界を支配しましたが、父同様自分の息子に襲われるのを恐れて五人の子を次々と飲み込みました。
クロノスの妹であり妻であるレアは、末の息子ゼウスが生まれると、せめてこの子を無事に育てて他の兄弟の仇をとらせたいと考え、クレタ島の洞窟に赤ちゃんを隠し、ニンフ(妖精)たちに養わせました。クロノスには、産着で包んだ石を渡し、飲み込ませました。これを知ったクロノスは非常に怒り、狂ったように世界を荒らしまわりました。
賢くたくましく成長したゼウスは、女神メテイス(知恵)に頼んで妙薬をもらい、父に飲ませ、自分の兄たちを次々に吐き出させました。そして、ゼウスは兄たちとともに、父クロノスを相手に十年間戦いました。そのため、世界はすっかり荒廃してしまいました。
これを嘆いたガイアに味方され、最後にゼウスは父を破り、神々の王となります。クロノスとその仲間の怪物(タルタロス)たちは地獄に埋められました。ゼウスは、この世界を二人の兄と分け合い、ゼウスは天を、ポセイドンは海を、ハデスは地下を治めることとし、大地は三人の共有としました。こうしてオリンポスの神々の時代が始まります。
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