今、宝飾業界は皆様ご存知の如く、未曾有の大不況期に御座います。
昔から宝飾は『一番先に不況が来て、一番最後に景気が戻る!』業種といわれています。
バブル期には全体で約3兆円マーケットと言われたのが、現在では8,000億円有るかどうかの規模まで縮小し、この状況はあと数年続くと考えられています。
最近の地金高騰
(K24価格:05.1月:1,500円/g、09.1月:2,400円/g、10.1月:3,500円/g)
も大きな要因となっております。
その中で生き残ってきた加工工場3社に現在加工依頼をしております。
それぞれ特殊な技術を持つ工場です。
特にコインジュエリーの加工は難しく加工工場も少ないのが現状です。
素材となるコインはK24~K9金まで有り、シルバーはSV990~SV500まで、その他黄銅貨、白銅貨、バイメタル貨など世界中で発行されているコインの種類は古代コインを含めると約100万種類(?)であり、全コインの発行枚数は不明です。
材質コイン別では100種類以上、毎年New Coin 発行は1,000種くらいと推察されます。
何故コイン加工は難しいのか?
まず挙げられますのは、材質によって溶解温度=加工温度が一つ一つ違うからです。
K24は1,064度、プラチナは1,768度、SVは961度、銅は1,084度、錫は449度とすべてに違いが有り、枠加工する際の金属と金属を付ける時に間にロー材(判り易く云うとハンダみたいなもの物)を使用して加工していきます。
宝飾品加工には必ず『火』を使い、その後でメッキなどで仕上げをするのが通例ですが、この理由からコインには通用致しません。
又、当社は1個ずつの手造り加工がベースで、パーツも既製品はほとんど使用せず素材から造っております。
皆様は、ちょっとつけて、少し曲げてなどとお考えになるかもしれませんが、職人さん達はものすごく神経を使いながら加工しています。
又、そのような状況下で廃業する加工場・職人さんが後を絶たず非常に心配しております。
今の状態を維持する為に、世の中デフレの風が吹いていますが、当社は逆にインフレ傾向に!!
少しでも多くの工賃を支払い、職人さん達の職場・仕事を確保して上げる事に鋭意努力をしております。
上の写真は、左が細工の職人さん、右が磨きの職人さんです。
この写真は左が仕上げの職人さん、右が工場の機械・工具類です。
この他に、原型職人さん、キャスト職人さん、ワックス職人さん、石止め職人さん、メッキ処理工場、手彫り職人さん、レーザー溶接等々多くの職人さん・機械装置などによって支えられています。
どうぞご理解頂き、より多くのお仕事を頂ければ幸甚です。
コインペンダント専門店 『World Coin Gallery』
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