先週までお送りしていた『古代コインのわき役たち』を一旦終え、今週からは『ギリシャのコインに刻まれた植物』を書いていきたいと思います。
ギリシャのコインに刻まれた植物
植物の模様は古今東西の美術工芸の装飾に使われてきました。写実的にあらわされたり、植物の種類も判別できないデザインとなったり、とその表現もいろいろです。今回は、ギリシャコインに登場する、そんな植物について書いていきたいと思います。
ギリシャコインの基礎知識
紀元前6世紀より、地中海域のギリシャの諸都市はコインを盛んに発行しました。都市の守護神を表にあらわし、裏にはシンボルが刻まれています。ここにあらわされた植物は単なる装飾モチーフではありません。守護神に関係した由緒正しいものなのです。それを見ていくと、コインを発行した都市に伝わる神話などが分かり、大変興味深くなっていきます。
ローズ
古代ギリシャのコインにあらわされた花としてすぐ思いつくのは、ロドス島の花です。エーゲ海に浮かぶ島で太陽が煌々と照り、色とりどりの花が咲き乱れています。太陽神ヘリオスと恋人のニンフが作ったとされています。ニンフの名前ローデは島の名と花の名につながることからもうかがえますね。
ロドス島は交易の拠点として繁栄し、発行したコインは地中海域に流通していきました。表にヘリオス神、裏にローズを示す独自のコインを発行しています。ヘリオスと言えば、ロドスには、古代の世界7不思議とうたわれた巨大なヘリオス神像が立っていたことで有名です。前3世紀に戦いの勝利を祝ってたてられた巨像で、台座を含めて50mあったというので、現在の自由の女神と同じくらいの大きさでした。残念ながら建築後50年少しで、地震で倒れてしまいますが、その親指ですら腕をまわせる者はいなかったと伝えられています。
裏の花は横向きが多いのですが、正面のものもあります。これはバラと言われますが、現在のロドス島にも咲いている赤いハイビスカスのことだとも言われています。
コインペンダント専門店 『World Coin Gallery』
よろしければクリックお願いします。
コメント