先週までお送りしていた「ギリシャのコインに刻まれた植物」シリーズに一旦終わりを告げ、今回は「聖書の時代の銀貨」について書いていきたいと思います。
聖書の時代の銀貨
古代の地中海には、フェニキアと呼ばれる地域がありました。この地域ではBC15世紀ころから、フェニキア人か都市国家を形成し、海上交易を中心にさかえていきました。
BC12世紀ころには、北アフリカからイベリア半島まで海上交易を広げ、その交易活動にともなってアルファベットなどの古代オリエントで生まれた優れた文明を、地中海全域に広めました。
栄えるにつれて、貨幣も鋳造するようになり、そして生まれたのがシュケル銀貨でした。
このシュケル銀貨というのは、聖書の中の逸話とも深いかかわりがあります。それは12人の使徒の一人、イスカリオテのユダがイエス・キリストを裏切るシーンに登場します。
と、そのまえにユダの裏切りについて軽く触れておきたいと思います。
イエスの弟子の中でも特に選ばれた12人を一般に使徒と言います。その中の一人イスカリオテのユダは、聖書の中でも重要な出来事でもあるイエスの死に大きくかかわっているのです。
ユダは、ユダヤ人の誘いに乗り、いまだばれていなかったイエス本人に接吻をすることで、その人物がイエスであるとユダヤ人にバラし、捕えさせました。イエス本人はこのユダのたくらみに気づいていたような記述が各所に見受けられますが、それでもとらえられてしまうのです。
そして、その報酬としてユダが受け取ったのが、シュケル銀貨30枚でした。
結局、ユダは罪悪感から銀貨を最終的に捨てることとなりますが、聖書のなかにこのような形で古代コインが出てきたことに小生は驚きました。
もし、興味をもたれたらぜひ調べてみてください!このユダの裏切りにはかの有名なレオナルド・ダ・ビンチの描いた「最後の晩餐」なども絡んでいて、大変興味深い話になっています。
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