今週で第三回をむかえます「金の魅力と魔力」・・・
今回は、瀬戸内海での金塊づくりについて「朝日新聞」の特集から書いていきます。
『瀬戸内海での金塊づくり』
瀬戸内海に浮かぶ、人口約3300人の直島(香川県直島町)は、現代アートの島として知られる。周囲16キロの島のあちこちに草間弥生ら有名アーティストの作品が置かれ、全国から観光客が訪れる。しかし、この島に金塊を精錬する工場があることはあまり知られていない。
島の北にある三菱マテリアル直島精錬所からは、年間約40トンの金が出荷されている。国内では最大規模である
1キロの金塊(約400万円相当)をつくる工程をみせてもらった。
作業場にはガスバーナーと鋳型が並び、横に水を張った大きなシンクのような場所がある。2人でいっぱいになるくらいの広さで、台所のような造りだ。
溶かした金を鋳型に流し込み、しばらくそのまま置いた後、鋳型をひっくり返した、水を張ったシンクに金を落とす。携帯電話くらいのサイズに成形された金が、天ぷらのように泡をだしながらシンクに沈み、あっという間に炎のようなオレンジ色から金色に変わった。
数分してシンクから金塊を取り出し、温度が下がった後、一つ一つチェックする。作ったうちの約2割が「不良品」としてはじかれ、もう一度溶かされる。
「金としての価値は同じですが、少しでもひびやしわがあるものは不合格です。」と技術課長の阿部信二は話す。
はじかれた金塊をてにもつと、まだ温かい。「不良品」とはいえ、デキたての約400万円だ。「合格品」には通し番号の刻印が押され、傷がつかないように袋に入れられる。
三菱グループは明治時代に佐渡金山や大阪の製錬所の払い下げを受け、金生産に乗り出した。佐渡金山は鉱石が枯渇したため1989年に閉山。同時期に製錬所も大阪から直島に移った。
直島での主な製品は銅で、鉱石はペルーやチリなど海外から輸入している。その工程で出る泥上の物質の中に、金や銀が含まれている。金製品を溶かして新たな金塊をつくる「鋳直し」や、廃棄された電化製品などに含まれる金からのリサイクルもある。大きな金塊をつくる技術もあり、05年につくった250キロの金塊はギネスブックに載った。
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