こんにちは。
9月に入ってもまだまだ暑い日が続いております。台風は来ても秋はまだ遠いようですね・・・。
さて、昨日9月4日(日曜日)に、以前告知させて頂いた講演会『イチから学ぶ!アンティークコイン基礎講座』を開催いたしました。
休日で暑い中にも関わらず、約30名のお客様にお越しいただきました!本当にありがとう御座いました。
以前から当店にお越しいただいているお客様も多くみられ、とても嬉しかったです。
当日の講演は二部構成で進めさせていただきました。
一部はタイトル通り「イチから学ぶ!アンティークコイン基礎講座」(1時間、講師:藤野)として、コインの基本的な定義や歴史、豆知識などをお話させていただきました。
二部は「コレクターが語る!アンティークコインの魅力」として、当店の長年のお客様であるコインコレクターの方に登場して頂き、普通のコイン収集の枠にとらわれない型破りでディープなお話をしていただきました。
<一部>イチから学ぶ!アンティークコイン基礎講座
今回の講演会には、以前からのお客様も多数お見えになりましたが、全体のおよそ2/3の方は「コイン初心者」という方が多かったようです。コインに関する好奇心や歴史の勉強が役立てたい、コインの実物がみたいという方、コインに関する投資に関心がある方など、参加された動機は人それぞれのようでした。
初めてコインの世界に触れたという方が多かったこともあり、最初の部では文字通りコインの「基礎」についてお話させていただきました。
アンティークコインの捉え方や昨今のコインブーム、コイン投資の考え方などの基礎的なことを、持論も交えながらお伝えできたと思います。
また安価で入手しやすいものから、希少で高価なコインまで共通していることとして「コインの価値の付け方」という見方があります。
無論その時々の時勢や経済状況も関わってきますが、基本と成る要素は①希少性 ②状態 ③需要 ④ベースと成る地金価値 だと思っています。特にコレクター心理としての①と②は大きく、コインの価値そのものといっても過言ではありません。
そしてコイン投資に関してですが、コインの芸術性と経た歴史、「数が限られている」という前提で考えれば価値は時の経過と共に上昇していくはずです。
しかしここ5年の急激な価値の上昇はまさにブームの影響が大きく、本当に限られた銘柄のものが飛びぬけて高値になっているが現状です。
100年以上昔に造られたコインが、ここ最近5年で急激に上昇するというのは、社会・経済の急激な変化とブームの影響といえます。コインが値崩れするという可能性は少ないかも知れませんが、本来コインは歴史的な収集品、芸術品として「楽しむ」ものであり、来年再来年の利幅を期待して稼ぐものではなかったはずです。
「投資」というよりも「資産」として、10年20年の長期スパンでお持ちになれば資産の保全に役立てるものだと考えています。その間、コインを通して歴史に思いを馳せたり、コレクションの幅を広げるなど楽しむことが大切であり、むしろその価値がアンティークコインの本来の価値だと思います。
今回の講演ではそのようなこともお伝えしながら、コインの購入や売却で気をつけたいこと、当店でのコインの価格の決定方法などをざっくばらんにお話させていただきました。
<二部>コレクターが語る!アンティークコインの魅力
第二部では、当店と長年お付き合いいただいているコインコレクターの方にお話して頂きました。この方は普段は中学校で社会科を教えている先生であり、毎日の授業でも教材としてコインを活用しておられます。
当店との最初の出逢いやそのあとのエピソードをお話しいただき、自分流のコイン収集の仕方や楽しみ方を時間たっぷりに語って頂きました。
さすが先生ですから、お話の掴み方や進め方が上手く、聴講された方々も食い入るようにして聞いておられました。
話題として取り上げたコインは普段の授業と同じく、聞いておられる方々に回して手にとって見てもらいました。やはり実物のコインを手にとってさわり、生のお話と合わせることで入ってくる知識や感情も変わってくると思います。
コインコレクションの幅も広く、「自分の感性」に従って収集されているので、コインの知識と種類はバラエティ豊富です。特にお気に入りのコインは「コインペンダント」にして持ち歩かれるので、「雲上の女神」や「旧十円金貨」といった名品コインも全てペンダントに加工して楽しんでいます。
特に今回話しをされた中で印象深かったのは、ドイツの1兆マルクコインについてでした。第一次大戦後のドイツはハイパーインフレに見舞われ、その結果とんでもない額面の紙幣やコインが登場することになります。中でも「1兆マルク」は額面もさることながら、60mmで81gというビッグサイズであり、そのインパクトは生半可なものではありません。
先生は公民の授業の「経済」でこのコインを使用するそうで、インフレや国の借金、信用についての説明で生徒さんたちにお見せすると反響も大きいと語っていました。
インフレや国の借金(ドイツの場合は賠償金でしたが)は現在の日本にとっては必ずしも他人事ではないので、とても興味深いエピソードでした。普段の授業風景を垣間見たようで、聴講された方の興味も尽きなかったようでした。
こうした話もありながら、全体の雰囲気は自由で型にはまらないもので、参加された方も楽しまれたのではないかと思います。
当日はスライドショーで映したコインの実物や、コイン関連資料の現物を会場にお持ちし、皆さんに自由に手にとってもらいました。その間質問や色々なお話もできました。またお店の方にもご案内し、雰囲気を感じてもらいました。
残念ながら当店のスペースが小さく、一度に大勢の方は入れなかったため、個別にゆっくりお話しすることは出来ませんでしたが、当店の場所だけでも覚えていただき、後日改めてお越しいただき、またゆっくりとお話できればと思います。
当日入店できなかった方には、大変申し訳ありませんでした。
それでも今回の講演では様々な出逢いもあり、とても良い機会に成りました。
これをきっかけに一人でも多くの人がコインの世界に興味を持ち、「コイン収集は楽しそう」「将来的に一枚でも自分のものにしてみたい」と思って頂けたのなら幸いです。
本当にありがとうございました。
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