こんにちは。
最近はようやく涼しくなってきたように感じます。蒸し暑い日から少しでも過ごしやすい日々になることを願ってやみません。
季節の変わり目は気温の変化も激しいので、体調管理には気をつけていきたいものです。
現在、上野公園の東京都美術館では『永遠の都 ローマ展』が開催中です。
ローマのカピトリーノ美術館より、古代から近代に至るまでの美術品の数々が来日しています。
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カピトリーノ美術館はローマの七つの丘の一つ、カピトリーノの丘に建てられた歴史ある美術館であり、古代から近現代に至るローマの美術品が収蔵展示されています。
カピトリーノは古代ローマではカピトリヌスと呼ばれ、七つの丘の内で最も高い丘として最高神ユーピテルやユノー、ミネルヴァの神殿が建立されていました。共和政時代~帝政時代に至るまでローマの中心として神聖視され、ローマ帝国消滅後も都市の中心部であり続けました。
英語で首都を意味するキャピタル(Capital)の語源になった場所とされ、現在ではミケランジェロが設計した美しい広場を中心に、美術館やローマ市庁舎が建ち並んでいます。
今回来日している美術品の中には、古代ローマの象徴として知られる「牝狼とロムルス&レムス」もあります。ポスターとして使用されるほど有名なカピトリーノの牝狼像、今回は複製ではありますが、本物の大きさや毛並み、質感を忠実に再現したブロンズ像です。
カピトリーノの牝狼
(ローマ展公式サイトより)
なおオリジナルの像も狼は古代エトルリア製で、ロムルス&レムスはずっと後の15世紀後半 ルネサンス期に付け加えられたものであり、古代ローマ人の手はほとんど入っていない作品と考えられています。
今回の展覧会では門外不出といわれた「カピトリーノのヴィーナス」が展示されています。
カピトリーノのヴィーナス像
(wikipediaより)
紀元前4世紀にギリシャの彫刻家プラクシテレスが手がけた作品を基に、2世紀 五賢帝時代のローマで作成された大理石像。数多く作成された古代ギリシャ・ローマのヴィーナス像の中でも特に有名な作品の一つです。
傑作と名高いプラクシテレスの作品は後世にも人気を博し、ローマ帝国では富裕層の邸宅を飾るために複製(ローマンコピー)が作成されました。オリジナルは失われてしまいましたが、こうした複製のおかげでその芸術性が後世に残されることとなりました。
この作品はカピトリーノ美術館でも多角形の特別な部屋に展示されていますが、今回の展覧会ではその空間まで再現されています。展示品本体が持つ空気をも魅せる、こだわりの工夫が為されています。
さらに今回はローマ皇帝の肖像も多数展示されています。
ユリウス・カエサルや初代皇帝アウグストゥスをはじめ、トラヤヌスやハドリアヌス、カラカラといった有名な皇帝たちの胸像が多く見られます。
当時を生きた皇帝たちの姿を模った肖像は、それぞれに個性と人間性があり、対面すると存在感と質量が伝わってきます。当時、実際に対面していない人々にも皇帝の存在を実感させる効果があったと思われます。
アウグストゥス像
(ローマ展公式サイトより)
コンスタンティヌス帝像 (複製)
(毎日新聞 2023/9/16 記事より)
今回のメインのひとつでもあるコンスタンティヌス大帝の巨像は、頭部だけで高さ1.8mという巨大なもので、足や手のパーツ部分だけでも見るものを圧倒させる巨大さです。複製であるとはいえ、実際に相対すると威圧感があり、コンスタンティヌス大帝が掌握した権力の強大さが想像できます。
大仏のようなサイズ感ですが、顔つきは生きている人間のようにリアルであり、1700年前にこれだけの巨像を製作できるローマの技術力の高さには驚くばかりです。この像が完全な形で後世に残されなかったのが悔やまれます。
この他にもトラヤヌス記念柱のレリーフ展示や種々の大理石像、ルネサンス期以降の絵画など、長い歴史を持つローマだからこそ生み出せた貴重な作品が数多く展示されています。
イッポリート・カッフィ『フォロ・ロマーノ』(1841)
カヴァリエル・ダルビーノ『狩人としての女神ディアナ』(1600-1610)
ちなみにコインは「牝狼とロムルス&レムス」を表現した金貨・銀貨・銅貨が並んでいます。カピトリーノ美術館所蔵のコレクションだけあって、どれもすばらしい状態です。
『永遠の都ローマ展』は上野公園の東京都美術館で12月10日(日)まで開催中です。
※土日・祝日は日時指定予約制 (*当日の空きがあれば入場可能)
※2024年1月5日~3月10日は福岡市美術館に巡回予定
ローマ史に少しでも興味関心がある方はぜひ足をお運びください。日本ではなかなかお目にかかれない展示物の数々、行って損はないと思います。
近くの御徒町には当店 ワールドコインギャラリーもございます。展覧会見学の帰り道に、ぜひお立ち寄りくださいますと幸いです。
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