今日は古代ギリシャコイン・古代ローマコインに度々登場する神々の詳しいご紹介。
ゼウス(ユピテル)
最高位の全能の神。神々と人間の父、天を支配し、あらゆる気象を司り、雷を操るので畏れられた。ギリシャ世界各地で信仰され、あごひげをはやし、杓をもち玉座に座る姿や、手のひらの上に小さなニケの像を持つこともある。シンボルは鷲、聖なる木は樫の木。
ヘラ(ユーノー)
ゼウスの妻でオリンポスの后。結婚と家庭生活の守り神。王冠を戴き、長いベールを垂らし、威厳のある年配の女性として描かれることが多い。シンボルは百合・孔雀。
ハデス(プルトン)
ゼウスの兄弟で、世界を分ける時、地下・死者の国を治めることになった。妻はデメテルの娘ペルセポネ。シンボルは豊饒の角・隠れ帽子。
アフロデイテ(ウエヌス)
アフロデイテは美と愛の女神です。海の泡から生まれたとされています。裸に近い格好で登場することもおおいですが、ドレスと王冠を纏うこともあり、よく海馬(ヒッポカンポス)やイルカとともに描かれています。その子エロスを伴うこともあり、ヘラ・アテナとその美しさを競った時に、パリスからもらったりんごを持っていた。薔薇・つるにち草・はと・白鳥が、彼女の象徴です。
ヘパイストス(ウゥルカヌス)
火と火山と鍛冶の神。魔術を使う。アフロデイテの夫。シンボルは鉄床(かなとこ)。
アテナ(ミネルヴァ)
農耕・産業・芸術、人間の生きる知恵を授ける女神。戦争を回避するよう人々を導き、慎重と勇気と忍耐をもたらす防衛の神とされる。ヘルメットをかぶり、槍や父ゼウスからもらった盾を持つ。勝利の女神ニケを伴うこともある。防衛の神であることから各地の都市国家で信仰され呼び名もさまざまである。シンボルは、ふくろう・ヘビ・オリーブ。
アルテミス(ディアナ)
ゼウスの娘、アポロンと双子。狩りの名手で子供の守り神。月の女神。三才の時に父親に領地と一生の純潔を求め、授けられた。イオニアではエフェンスの美しい神殿に祭られ、あるアジアの神から豊饒と滋養の力を引き継いだとされた。弓矢を持ち、猟犬を伴い、牝鹿を追っている姿や、野牛に乗っている姿で描かれる。シンボルは牝鹿。
デメテル(ケレス)
豊饒と生命の神。ゼウスの妹。ハデスの妻ペルセポネーの母。麦の穂に飾られたり抱えたりする姿でよく描かれる。聖獣は豚。
ポセイドン(ネプトゥヌス)
ゼウスの兄。海の支配者で、馬の神でもある。三つ又の矛で地を突いて地震をおこすといわれている。船の舳先に立つ姿や、装飾された三つ又の矛とともにコインに描かれる。シンボルは矛のほかにイルカ・馬。
アポロン(アポロ)
アポロンはゼウスとレトの息子でアルテミスと双子です。詩・音楽・医術の神、そして羊と山羊の守護神である。予言を伝え、邪悪と暴力を憎み、苦悩する人々を悪から救うとされています。デルフィの神殿でのお告げが最も重要とされました。シンボルは竪琴・月桂樹です。初期ギリシャコインには、彼の横顔と彼を象徴する竪琴がよく描かれています。
ヘルメス(メルクリウス)
神々のメッセンジャーとされる。口八丁手八丁で商人と泥棒、旅人と演説家の神。ゼウスに厄介な仕事を次々に頼まれるが、うまく解決してしまう。ヘビやリボンが巻きついた杖が描かれるがこれは杖が伝達の道具であったため。時々コインには伝達がすばやいことを意味する翼の着いた杖も現れる。シンボルはサンダル・財布・帽子など。
アレス(マルス)
ゼウスとヘラの嫡子。気性が荒く、好戦的で思慮分別のない無鉄砲な神。アフロデイテの愛人で、二人の間に生まれた娘、ハルモニアは調和と和解の女神である。
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