オリンピアがあるペロポネソス半島とアテネがあるギリシャ本土をつなぐ細い橋のような土地、その両側はイオニア海とコリンシアコス湾に挟まれている・・・
ここがコリント地峡です。現在は運河があり、船で渡る事ができますが、古代ギリシャでは荷を積んだ船をロープで引いて渡る『デイオルコス』と呼ばれる道路がありました。その運河の北の端に都市国家コリントの首都がありました。
ここはまさに通商・貿易・交通の拠点。その歴史を通して、いつも豊かに栄えて賑わったところです。隔年で競技会が開かれ、ギリシャ中の英雄と多くの観衆を集めました。もちろんコインも多く発行しました。 コリントの記章は、飛ぶ馬・・・ペガサスです。ペガサスは大神ゼウスの雷を運ぶといわれ、またペガサスの蹄の跡からは、噴水のように泉が湧き出すといわれました。ペガサスの下には古代のスペルでコリントの頭文字『ρ』が記されています。『 子馬』の愛称で親しまれるこのスターテルコインは、アテネ人の『ふくろう』のコインと数を競い、当時の旅行者や商人の間で普及しました。
コインを見ると、その多くに、都市を防衛するといわれる女神アテナのコリント風のヘルメットをかぶった横顔が描かれています。
コリントは、地中海の各地に植民地を持ち、そのうちのひとつがイタリア半島の先端にあるシラクサで、コインの傑作を多く産出した地域です。時折、外部からの侵入に脅かされたので、コリントはシラクサにティモレオンを派遣しました。民衆は彼を歓迎しました。ティモレオンはコリントと同じペガサスとアテナのコインを発行し、植民地シラクサのオリジナルとして、ペガサスの下に三本巴足のマークを入れました。他の植民地でもみなそれぞれのマークをペガサスの足元に施しています。
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