ロードス島は、エジプトや北アフリカ産の穀物を通商する要所として栄えていました。この島の強力で優れた船団は、このあたりによく出没する海賊に脅かされる事もありませんでした。ロードス人の最も敬愛する神はヘリオスという太陽神で、生け贄をささげる儀式と祝宴が定期的に催されました。ひとびとは、この世が始まった時、ヘリオスがこの島を海から釣り上げたと信じていて、他のポセイドン神やアテナ神にもましてヘリオスはこの島にとって特別な存在だったのです。
毎日、輝く輪戦車(太陽)に乗って東から西へそれを渡る・・・それがヘリオスです。ヘリオスが地の向こうに沈めば暗くなり夜がやってきます。彼への生け贄として、馬四頭を海に投げ込みます。この祭りと生け贄は人々に毎日の夜明けを約束しました。ロードス島のコインは長い伝統があり、大変美しく裏面には薔薇が描かれました。 ローズ(薔薇)は、この島ロードスを洒落たもので、ギリシャ語『POΔION』とあるのが『ロードスの』という意味です。表面には、ヘリオスの正面の肖像が描かれていますが、これは高度な技術を要するもので、現在の技術をもってしても難しいものです。
太陽神であるヘリオスは陽光を放っていて、空を渡っている様子を表すために髪は風になびいています。紀元前305年にロードスは侵攻する敵に包囲されましたが、その背後から逆襲しその戦利品の青銅を持って何百フィートもある巨大なヘリオス像を作ったといわれます。 これを港の入り口に置き『ロードスの巨像』といわれる古代世界のミステリーの一つになっています。紀元前224年の大地震で破壊され、今では名残すら見つかっていませんが、太陽光を浴びて光り輝く真新しい巨大な銅像が、何マイルも遠くの船からも見えたことでしょう。船乗りに港への航路を示す灯台の始まりのひとつともいわれます。
ヘリオスにはリンドス・イアリロス・カミラスの三人の息子がいて、これらはそのまま島にある大きな三つの町の名前になりました。そして、この息子たちの母親の名がロードス。イアリロスはもうありませんが、リンドスとカミロスは今も訪ねる事ができます。
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