☆ 宝飾市場の現状と展望
宝飾品市場の市場規模推移と予測
2009年宝飾品小売市場規模は前年比11.9%減の9283億円と推計、宝飾品市場は1991年のピーク時に3兆円を超える規模であったが、2009年現在では3分の1以下に落ち込んでいる。2009年全体でみると、百貨店や宝石専門チェーン店の落ち込みが大きい。市場全体の2割近くを占めるブライダルジュエリーについても婚姻件数の減少や単価の落ち込みによって市場は縮小した。
店舗数(売り場)を合計すると20,000店舗弱と推計され、通販、訪販チャネルを除く店舗販売の単純計算では1店舗あたりの売り上げは5,475万円ということになる。
注目すべき動向
宝飾品の単価が落ち続けている。
宝飾編の単価が落ち続けている。10KやPt585等の低品位の地金商品や、キュービックジルコニアや小粒の半貴石の低価格商品を投入するなどした結果、さらに単価が下落し続ける悪循環に陥っている。
注目すべきチャネル
通販チャネルだけが大幅な伸びを示した。これはインターネットによる宝飾品販売が伸張したためである。
アメリカでは宝飾全体市場の1割がインターネットチャネルだといわれている。若者を中心に“ネットで宝飾品を買う”ことに対して抵抗のない世代が増えてきている。平均単価は、店舗販売に比べて安く、数千円~1万円程度のものが中心である。
宝飾小売市場の動向と展望
宝飾市場は株価に連動している。これは生活必需品でなくどちらかというと余剰資金で購入するからである。株価を含めた日本経済の回復次第で2010年の宝飾市場は増加に転じる要素を十分に持っているといえる。
百貨店売上高は2010年2月時点で、24か月連続で前年同月比マイナスとなった。特に10都市以外の地方都市においては、32ヵ月連続マイナスである。さらに宝飾品においては36カ月連続マイナスと、残念ながら悪い中でも最も景気の影響を受けているアイテムである。
日本の宝飾品市場の発展はショッピングセンターと共に歩んできた。ツツミ、ベリテ、エステール、ニコロポーロ、等のチェーン店はイオンやヨーカ堂などのモールに必ず入店してきた。それがここ数年過剰出店によって完全にオーバーストアとなっている。
全国に15,000店弱有るといわれている独立型宝飾・時計専門店は、最も厳しいチャネルの一つである。
好調を続けてきたTVショッピングも楽観視できない。大手2社のQVCとショップチャンネルは明暗を分けたようだ。
地金の高騰でもともと矢推移価格帯を中心としてやっていたショップが単価を落として差別化が難しくなったこと。QVCは2010年に入っても宝飾分野は好調で、2ケタ以上の成長をしている。
一方インターネットショッピングは有望である。ジュエリー業界のEC(E-commerce=インターネット販売)はあらゆる分野で取引が拡大していくことは確実だ。インターネットに慣れた消費者も増えている。
宝飾小売市場規模の長期予測
宝飾小売市場は2009年が底で、その後2013年頃まで拡大していく
・プラス要因
l デフレの底打ち感
l 団塊世代の退職金消費増
l 宝飾品再流通市場の拡大
l EC等新規チャネルの拡大
l 外国人富裕層観光客の消費増
l メンズジュエリー市場の拡大
l 低品地金製品、異素材などの新規購買
・マイナス要因
l 鑑定・鑑別、価格と価値等の業界への消費者不信
l クレジットローンの規制再強化
l 消費者の宝飾品保有方による不用感
l 単価ダウン
(株)矢野経済研究所 【宝飾市場の現状と展望】ダイジェスト版より抜粋させて頂きました。
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