「思慮」の女神メティスとゼウスの娘アテナはギリシャで最も愛された神です。
アテナは武装し、明晰な瞳を持ち、見た目麗しく、知恵と正義を司り、戦いを鎮める力を授かりました。
この女神の名を持つ都市国家アテネはアッティカ地方の首府で、アテナはその守護神の座をポセイドンと争いました。アテナの聡明さに押されたポセイドンは短気を起こしその国の丘に槍をつきましたが、アテナはオリーブを生やしました。
これを見た神々はアテナに軍配を上げ、人々はそのアクロポリスの丘にかのパルテノン神殿を築きました。
アテナが、ギリシャ各地で信奉されたのには理由があります。彼女が人々に多くの実用的な知恵を授けたからです。機織り・料理・航海・計算・農業…、そして槍と矛、鋤と鍬、車徒歩千といった道具も教えました。コインにも大変多く描かれましたが、
それは、アテナがその知恵で戦いを治める力を持つ、都市の防衛神として信仰されていたからでしょう。
アテナの逆鱗に触れてしまった娘が二人います。アラクネとメデウサです。アラクネは機織りの名手でした。アテナの守護のためだと人々に言われるのが面白くない彼女は、不遜にもアテナとその腕を競おうとします。女神は老婆に姿を変え、彼女を諌めましたが聞き入れません。しかも出来上がったアラクネの織物は素晴らしく、アテナのものと比べても遜色はありません。しかもその図柄はオリンポスの神々の恋愛を風刺したものでした。神と争った以上思い残すことのないアラクネは糸に縊れて死のうとしますが、アテナは怒りをあらわにして彼女を蜘蛛に変えてしまいます。
もう一人はメデウサです。彼女は自分の髪を、アテナよりも美しいと自慢したため、髪を蛇に変えられてしまい怪物になってしまいます。
ギリシャの神々はこのように人間相手に嫉妬をあらわにすることが多いのですが、アテナはこれでも少ない方です。他の神話にも脇役で多く登場しますが、常に理性的な姿で描かれます。
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