先週から書き始めました『ギリシャのコインに刻まれた植物』・・・
今週は古くからヨーロッパで愛されてきた「葡萄」と「オリーブ」について書いていきたいと思います。
ギリシャのコインに刻まれた植物(2)
葡萄
葡萄は古くから栽培され、生食、ジュース、そしてワインとして愛用されてきました。地中海域のワインの名産地は競うように葡萄や酒杯をコインに示しました。
ギリシャの北方トラキア地方の都市マロネイアでもぶどうの図柄のコインが作られました。この都市の名前は守護神マロンからきています。守護神マロンは極上のワインをつくったととある詩に謳われており、マロネイアがワインの名産地であることとも深く関わりがあるのです。
写真はマロネイアの古代遺跡
この地方のコインには、たわわに実る一房のぶどうと左下に先端が動物の姿の酒杯リュトンが描かれているものがあります。
オリーブ
オリーブは言わずと知れた地中海地方原産の常緑樹。果実からとる油は食用だけでなく、ランプの灯油にもなり、きわめて有用な樹でした。
繁栄を誇った都市アテナイの守護神がアテナ女神となったのには、このオリーブが大いに関係しています。アテナ神とポセイドン神がある土地の支配権を争った時、神々は人間に最も必要なものを贈った方を勝者にすると決めました。ポセイドンは馬を、アテナ神はオリーブを与え、結果アテナ神が勝つことになりました。そして、その町はアテナイと名付けられたのです。
この地方コインには、表にアテナ神が、裏には彼女の聖鳥フクロウが刻まれていますがフクロウの後にはオリーブの実と葉がみえます。豊かな実りを約束してくれるオリーブはアテナイだけでなくギリシャ一帯で神聖な樹とされました。
前9世紀頃から行われていた盛大なる祭典競技オリュンピアの勝利者には、オリーブの枝葉で編んだ冠が与えられました。2004年のアテネオリンピックでは、マラソンの野口みずき選手が優勝し、オリーブの冠をかぶっていたのが記憶には新しいですね。
写真はアテナ神のコイン
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