こんにちは。
猛暑の日々が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
日中の気温が35度を超える日が続き、身体にも疲れが出始める頃かと思います。
暦の上では秋ですので、夕方以降は涼しく感じる日も増えましたが、屋外・室内での熱中症には充分お気をつけいただきたいと思います。
昨今は金価格の上昇(*8月7日時点で税込小売価格 1g ¥7,769)が大きな話題になっておりますが、一方でそれにつられて銀価格も上昇しています。
6月まで1g 60円台だった銀価格は8月7日には112円に達し、1~2ヶ月で倍近い大幅上昇です。2011年には130円台にまで上昇した銀ですが、その後は60円~70円台を保って静かに推移していました。
コロナ禍の経済不安によって再び銀の価値が見直されたのか、それともあくまで一時的な動きなのか、注視していきたいと思います。
昨今は銀投資の意味も含めて、銀貨の収集を始める方も多いようです。
歴史的に銀は貨幣の素材として世界中で用いられてきました。古来より宝飾品に用いられる希少な金に比べると数量があるため、経済活動に用いるには好都合な貴金属だといえます。
アンティークコインの価値は素材よりも希少性や状態の良し悪し、人気で価値が決まりますが、通常貨としての銀貨は20世紀半ばまで大量に発行されており、100年ほど前の大型銀貨であっても入手は容易です。
今回は大型銀貨の中でも特に有名なコイン、アメリカの「モルガンダラー」をご紹介します。
通称「モルガンダラー」は1878年~1921年まで製造された1ドル銀貨であり、銀品位90%、26.73g、38.1mmの立派な大型銀貨です。
1878年3月11日15時17分にフィラデルフィアの造幣局で最初の一枚が打ち出されて以降、サンフランシスコやニューオーリンズなど全米5都市の造幣局で大量に生産され、アメリカ全土で流通しました。19世紀末~20世紀初頭のアメリカを代表するコインとして、古い西部劇の映画などにも多く登場しました。
なお、最初に打ち出された一枚は当時の大統領ヘイズに、二枚目は財務長官、三枚目は造幣局の局長にそれぞれ贈呈されました。
「モルガンダラー」の通称はこのコインをデザインした彫刻師ジョージ・トーマス・モルガン(1845-1925)の名に因みます。モルガンが手掛けた傑作であるこの1ドル銀貨は、特に自由の女神リバティの横顔像から人気があります。
新興の大国として急成長しつつあったアメリカを象徴するような、美しくもたくましいリバティ像です。
このリバティ像にはモデルとなった女性が存在しました。
当時、フィラデルフィア造幣局に招聘されたばかりのモルガンは様々な試作デザインを考えていましたが、新しい1ドル銀貨のデザインを求めてさらに思案を重ねていました。彼は完全な創作上の女性をリバティとするのではなく、実在のアメリカ人女性をモデルにしたほうが良いと考え至りました。
彼は友人の芸術家トーマス・エイキンズ(1844-1916)に相談し、ある女性を紹介してもらえることになりました。フィラデルフィア在住のアンナ・ウィレス・ウィリアムズ(1857-1926)です。
当時まだ20歳にも満たないアンナはモデルになることを嫌がりましたが、友人たちの説得の末、渋々承諾したと云われています。1876年11月、アンナと対面したモルガンは「完璧なモデル」だとして喜び、彼女を新しい1ドル銀貨の顔にすることを決めました。アンナとモルガンは5回にわたって対面し、様々な角度から構図を決め、美しい彫刻デザインとして形作っていきました。
デザイン案は当時の主任彫刻師ハーバーが作成したものもありましたが、最終的にアンナをモデルとしたモルガンのデザインが選ばれ、実際に製造・発行されることとなったのです。
こうして出来上がった1ドル銀貨は当時のアメリカ人に広く受け入れられ、モルガンの名声は一気に高まることとなりました。後にモルガンは合衆国造幣局の主任彫刻師に昇格します。
アンナはモデルになる条件として、自身がリバティ像のモデルであることを秘密にするよう求めました。ところが新しい1ドル銀貨が広く行き渡り始めると、すぐにそのモデルがアンナだと知られるようになりました。彼女はあっという間に有名人になってしまい、教師である彼女の職場や自宅にまでファンレターが届くようになりました。彼女の姿を見ようと押しかける人まで現われ、当初危惧していた以上に注目されてしまったのです。
トーマス・エイキンズが描いたアンナ・ウィレス・ウィリアムズ
彼女は生涯独身を通し、1924年に引退するまで教師として女子教育、幼児教育の発展に尽力したと云われています。彼女は最期までモルガンダラーのモデルになったことを自ら話さず、あくまで「若い頃のできごと」として多くを語ろうとはしませんでした。
モルガンダラーは1921年を最後に製造が終了し、4年後にはジョージ・トーマス・モルガンが、その翌年にはアンナ・ウィレス・ウィリアムズが世を去りました。
発展期のアメリカを象徴するモルガンダラーは発行枚数の多さから、年号や製造地のミントマークで揃えていくことを楽しむアメリカのコイン収集家に大変人気があります。
通貨としての役割は終えましたが、その芸術性の高さ、背景となる数多くの物語も相まって、現代でもなお世界中で広く愛されています。
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藤野社長 お久しぶりです。 中田です。私はいま蜂蜜屋です。業界が違いすぎて、ご挨拶も長年できなくてすみません。いまは甲府でジ~ッとしています。 あと1回はチャレンジできればと思っていますが、私も53歳になりました。藤野社長と初めてお会いした時のことは忘れていません。多分いまの私の年齢くらいの藤野社長とお話しさせていただいたのかなぁ・・・と思います。サラリーマン生活から抜けて、良きも悪しきも味わいました。藤野社長には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。 深澤専務とも畑で月1回ほど会います。昔話が面白いです。 どうぞお元気で、心より
投稿情報: 中田徹二 | 2020/09/26 16:30