コインコレクターの行きつく先は『ギリシャコイン』!!コイン収集は王侯・貴族の趣味と言われ、エジプトのプトレマイオス2世から始まり、ローマのアウグストゥスも恩賞として授けたと言われ中世には、ローマ教皇、メディチ家、ハプスブルグ家、ルイ14世等多くのコレクターが名を連ねている。
何故これほどまでに多くの人を引き付けたのでしょう? コインは資産であると同時に古代文化に対する教養と学識の証とおして存在。 芸術面に於いても技術・表現力の凄さは一目瞭然!その時代の歴史を刻んだコインは今も多くのコレクターを魅了しています。
古代ギリシャ時代は、都市国家、多神教の時代!コインに刻まれた図柄は、一枚一枚に特徴があり多彩です。その都市の信仰する神々が描かれ、裏面にはその都市を象徴する図柄が多く刻まれた。
なんといっても一番人気は、その当時の世界を征服したと云われる『アレキサンダー大王』のテトラドラクマ銀貨!
マケドニア王国のフイリッポスⅡ世の意志を受け継いだアレキサンドロス3世は、王国内の金・銀山に加え、ペルシャ王の蓄財した莫大な金銀を取得して、実にその当時の全世界の貴金属の60%を手中に収めたと言われている。
彼が偉大だったのは、これらの金銀を征服戦争を遂行する為に貨幣に姿を変え、遠くインドにまで伝えた事に有る。これらの貨幣には統一図案が採用され、彼自身ギリシャの英雄『ヘラクレス』の末裔と信じてコインに刻ませた。ヘラクレスは勇気と力の象徴であった。
裏面にはギリシャの最高神ゼウスを描き、ギリシャの指導者としての正当性を主張したもの。この統一デザインは彼の死後も100ケ所以上の造幣所で継続製造された。
まさに空前絶後の世界通貨の誕生でした。
過去のアレキサンダーに関する記事へ→古代ギリシャ史 3 ・・・アレキサンダー大王とヘレニズム王国時代
② アテナ神/フクロウ
古代のギリシャ文化の中心だったアテネ市の名は、アテナにちなんで付けられたものでアテネ市がその首府だった。アッテカ地方の守護神をポセイドンとの競争に勝って手に入れた話は有名です。
現代ギリシャの首都であると共に、紀元前に於いてももっとも重要なポリスだった。
『表』にアテナ、『裏』にフクロウを配したモチーフのコインは紀元前6世紀末に現れ、その後400年以上に渡りデザインに変化はあってもこの組み合わせは変わる事がなかった。
Ⅰ.クラシック期のアテナ神コイン(オールド)・・・・アルカイックスマイルを浮かべるアテナ神で、ギリシャコインの中でも秀逸です。表面はもちろんパルテノン神殿に鎮座したアテネ市の守護神。
裏面にはアテナの聖鳥であり知恵の象徴です。オリーブは大地の恵みを表していて、ポセイドンとの競争でアテネ市に与えた物です。
このコインの図柄は、コインの代名詞として、良く紙面に現れていますから皆様もご存じの事と思います。
Ⅱ.アルカイック期のアテネ神コイン(ニュー)・・・・このタイプは、マケドニアから再独立の紀元前196年から、ローマに占領されるまでの紀元前86年まで製造されたコインです。
デザインを一新して、ヘレニズム美術の写実的特徴を有している事から、“ニュースタイル”と呼ばれているコインです。
表面は当時のパルテノン神像を模した格調高い図柄で、裏面はアテネの主要産品のオリーブに囲まれアンフォラ(壺)の上に立ち正面を向くフクロウ。
過去のアテナ神/フクロウの記事へ→古代ギリシャコイン~(4) アテネーフクロウ
ギリシャ中央部のコリンシア地方・コリントのコイン。 ギリシャで最も繁栄したポリスの一つで商業貿易の中心地であったコリント。
コリントは紀元前6世紀には早くも貨幣製造を始め、そのデザインは全てペガサスとアテナ神に関わるものだった。
その由来は、天馬ペガサスはペルセウスに退治されたメドゥーサの首から生まれたが、コリントの王子ベレロフォンテスは何とかしてこの名馬を手に入れたいと、アテナに祈願したところ願いを聞き入れられ、与えられた黄金の轡でペガサスを捕らえることが出来た。
一晩で地球を一周する事が出来ると言われる天馬で、競馬フアンの人達には人気があり、野球の名球界のシンボルマークにもなっています。
過去のペガサスの記事→古代ギリシャコイン~(1) 空かける馬-コリント
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