今回で連載4回目を迎えます「アール・クラシック」。今回はギリシャ神話に登場する、オリュムポスの12神をご紹介していきます!多くの芸術家によって、絵や彫刻としてあらわされてきたオリュムポスの神々ですが、どのようなストーリーを持っているのか皆さんご存知でしょうか?実は一人一人に人物設定があり、大変興味深いストーリーとなっているのです。
“オリュムポス12神 あ・ら・か・る・と”
ギリシヤ、ローマを語るとき、神々の存在を抜きには出来ません。ギリシヤ神話の神々はギリシヤ固有の神もいれば、ディオニュソスのように元は異民族の神だったり、ヘラクレスのように異民族との戦争で英雄だった人間が神になったと思われたり、その由来は複雑です。また、ギリシヤの神話・伝説の特徴は、内に多少とも史実の裏づけを秘めている事があり、このことが19世紀以降の考古学的な発見につながっています。
ここでは八百よろずといわれるギリシヤの神々の中でも最も重要なオリュムポス12神を紹介します。ギリシヤの神々はローマにも受け継がれ、ローマの神々の名前を踏襲したので、名称は異なります。( )内はローマ神話での名称です。
1、 Zeus ゼウス(ユピテル、ジュピター)
オリュムポスに君臨する全能の神です。立派な髭をたくわえ、翼のある槍の形をした雷を携えて、鷹をお供として従える威風堂々とした姿を、ギリシヤ芸術の中にご覧になった方も多いと思います。大地母神ガイヤの生んだクロノスとレアの子供としてクレタ島で誕生したといわれています。雨、あられ、雪、雷など気象現象を司り、時として武器に使います。ゼウスは人間と神々の生涯の監督者です。正妻はヘラですが、ゼウスの愛した女神、ニンフ、人間の女たちは数知れず、世界には彼の子供である神や英雄たちが散りばめられました。
2、 Hera ヘラ(ユノ、ジュノー)
宇宙の最高神のゼウスの妻でありながら天界の王妃。ヘラの名は貴婦人を意味し、英雄(ヒーロー)や戦士を意味するヘロスの女性形だろうと言われています。毎春、アルゴスに近いカナトスの泉で年齢を洗い流し永遠の美を保っています。孔雀が、ヘラに捧げられた聖鳥であり、結婚と子供や夫人の生活が彼女の守護分野。しかし、怒りと嫉妬のパワーは激しく深く、ゼウスに愛された女たちは手ひどい罰を受けることになります。
3、 Poseidon ポセイドン(ネプトゥヌス、ネプチューン)
ゼウスの兄であり、海の支配者。ギリシヤ芸術では、三又の鉾を手にし、イルカに引かせた車で海上を駆け巡り、嵐を巻き起こす猛々しい姿で描かれています。馬に姿を変えて収穫の女神デーメテールと愛し合い、名馬アリーオーンが生まれたという伝説の為か、海神であるにも関わらずシンボルは馬です。
4、 Apollo アポロン(アポロ)
ゼウスの子供だが母は黒い衣のレートー。朝、東の宮殿から太陽の馬車で天空に駆け昇り、西の地平に至るアポロンは、月の女神アルテミスと双子の兄妹。黄金の弓の支配者にして、医術、音楽、詩、数学、予言を司ります。情熱と冷静さと茶目っ気をあわせ持ち、永遠の若さを約束されたアポロンは理想の人間像ともいえますが、なぜか女性運はありませんでした。
5、 Artemis アルテミス(ディアナ、ダイアナ)
アポロンの双子の妹。白馬にひかせた白銀の戦車で漆黒の夜空を駆ける月の女神。また銀の弓を携え、お供のニンフを引き連れて野山を駆け歩く狩猟の女神でもあります。処女神として貞潔の象徴であるので、それを犯そうとする者や、純潔を守らないニンフたちには激しく罰しました。
6、 Athena アテナ(ミネルヴァ、ミネルウァ)
ゼウスの頭(叡智)から生まれた知恵の女神であり永遠の処女神にしてギリシャポリスの守護神。知恵をあらわすフクロウが彼女の聖鳥であり、夜の姿であるといわれました。かぶとをかぶり、丸い楯と槍を持った完全武装の姿で描かれ、知的な戦術をもって戦場における勇者たちを応援します。
7、 Ares アレース(マルス、マールス)
ゼウスとヘラの子供で戦場の神。「火」、「炎」、「災難」、「恐怖」という名の馬にひかせた馬車で戦場を駆け巡り、戦士たちの戦闘意欲をあおったのですが、戦術の女神アテネにはかないませんでした。凶暴な性格はオリュムポスの神々から嫌われ、冥界の王ハデスとアレースの双子の妹である不和の女神エリスと親しくしていました。
8、 Aphrodite アフロディーテ(ウェヌス、ヴィーナス)
愛と美の女神アフロディーテはポッティチェリ作「ヴィーナスの誕生」に描かれているように、海の泡から成人の姿で生まれました。エロース(性愛)とヒーメロス(欲望)を従えたアフロディーテは、すべての神々と人間の心を征服し恋の虜にしてしまいます。ヘーパイストスの妻でありながら、天衣無縫な恋の神話ばかりです。
9、 Hephaestus ヘーパイストス(ウゥルカヌス、ヴァルカン)
鍛冶と金属鋳造を仕事としています。火、特に活火山から噴出する火の神である。あまりに醜く、しかも足が不自由だった為、生まれるとすぐに母親であったヘラにオリュムポスから投げ捨てられてしまいました。海底深い洞穴で9年間育てられた後、ヘラへの復讐心があるものの、オリュムポスに改めて迎え入れられ、愛と美の女神アフロディーテと結婚することになります。
10、 Hermes ヘルメス(メルクリウス、マーキュリー)
ゼウスと巨人アトラスの娘マイアの間にできた子供。旅人を守り、盗人と商人の守護神ヘルメスは、目つきの鋭いほっそりとした若者と表されることが多いです。風よりも速く走る彼は帽子と靴に翼をつけ、ゼウスの使者として伝令の杖ケリュケイオンを携えます。生後すぐにゆりかごを抜け出し、アポロンの牝牛を盗んだ神話は有名です。
11、 Demeter デーメテール(ケレス、セレス)
デーメテールとは、「母なる大地」を意味し、収穫の女神にして大地の生産力の守護神です。彼女の怒りは大地の不毛と大飢餓を呼びます。冥界の王ハデスに愛娘ペルセポネを略奪され、ペルセポネが冥界で過ごす一年のうちの三ヶ月は、デーメテールの機嫌が悪いので、地上は植物の育たない冬となると言われています。
12、 Dionysus ディオニュソス(バッコス、バッカス)
酒の神バッカスの名で知られるディオソニュスは、かまどの女神ヘスティア―からその座をゆずられオリュムポス12神に加えられました。陶酔と解放の神として、葡萄の栽培法や葡萄酒の製造法を教えながら地中海沿岸を旅し、その旅は多くのギリシヤ神話を生みました。
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